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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第64章 CM撮影当日
帰りの列車の席で梨果と美幸は寄り添って眠っていた。号泣した美幸に対して何もしてあげることはできなかった。

地元の駅に着いた頃、既に23時を回っていた。2人を起こして下車する。


「先ほどのお話は父には内緒にしてください。」

「……」

「美幸ちゃん、考え直せないの?」

「うん……私が決めた事だから。」

目に迷いはなかった。


閉店している写真館前に着き美幸と向き合う。潤んだ瞳で見つめられそっと彼女は囁いた。

「さようなら……おじさま。大好きでした。」

そう告げられ踵を返した美幸は店内に入っていった。

(美幸さん……)

何もできない自分がもどかしかった。あれほど私を慕って気にかけてくれた少女をこのまま見送ることしかできなかった。

「おじさん……」

不安な顔で私を見上げる梨果。無言で彼女の肩を抱き家路についた。
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