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第76章 一泊温泉旅行⑦

すでに夜は明けて明るくなった空の下、梨果はメインの一番大きな岩風呂に浸かっていた。

(あれは変装のつもりか？)

風呂なのに伊達眼鏡を掛けているが醸し出す美少女オーラで私ならすぐに梨果とわかる。

露天風呂全体を見渡すと早朝としてはそこそこな人数がいた。この時間も露天は混浴のはずだが他に女性の姿はなく、入浴客たちが梨果に意識を集めているのがわかった。

(やたら目立ってるな。よし……)

私は梨果に見つからないように身を潜めて様子を見守ることにした。