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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第88章 父と娘、不在の打上げ
気が付くと見慣れない天井が見えた。ベッドに寝かせられており周りを見回すと傍らに妻が座っていた。

「やぁ……やっと目覚めたね。」

「……一体どうしたんだ。」

「玄関で倒れてあまりにも目を覚まさないから救急車を呼んだのよ。」

「ああ、そうなのか……」

「目覚めたら精密検査だそうだ。看護師さんを呼ぼう。」

「そうか……」

妻は枕元のナースコールを押す。時計を見ると16時を回っていた。すると友也が病室に入ってきた。

「父さん、大丈夫なの?」

「ああ友也。大丈夫だ。」

「おじちゃん。大丈夫?!」

「お父様!どうなされたんですか。」

そして現れる友也の彼女の奏音と小さな生き物美月。学校を終えてそのまま見舞いに来たのだろう、2人とも制服姿が麗しい。

「やあ、奏音さんに美月さん。君たちも来たのかい。ありがとう心配いらないよ。もう元気だから。」

「女子に免疫がなかった友也がいつからそんなに女の子を連れて歩くようになったんだい?」

友也が連れてきた少女たちを見た妻が驚いている。

「あ、母さん紹介するよ。彼女がお付き合いしてる角山奏音さん。」

「ほお、君が友也の彼女さんか。美人さんなのに友也なんかでいいのかい?あははは!」

「ちょっと母さん……」

「お、お母様!は、はじめまして、か、角山奏音と申します!よ、よ、よろしくお願いします!」

「奏音緊張しすぎー」

美月が突っ込む。美月と妻は二度目の対面だ。

「その節はお世話になりました。」

美月は舌っ足らずながらしっかりと妻に挨拶をしていた。

「やあ、相変わらず可愛らしい子だ。お二人とも今日はわざわざお見舞いありがとう。」

「梨果は?」

友也たちに訊ねる。

「えっと……いや、下のロビーにはいるんだけど……」

目を見合わせる3人。

コンコンコン

「失礼しまーす。」

看護師が入ってきた。

「お目覚めですか?そうしましたら精密検査を行いますので申し訳ないのですが面会の皆様はお帰りいただいて奥様だけお残りください。」

「ええっ、来たばっかりなのにー」

美月が嘆く。

「ほらほら、病院なんだから治療が優先だよ。行こう美月。」

美月の両肩に手を置く奏音。

「うん……」

「それではお父様、お大事になさってください。」

奏音に促され美月と友也は共に病室から出て行った。
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