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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第103章 古川文学賞授賞式
「うわっ!木箱に入ってるんだ。箱だけで高そう……」

玄関に持ち込まれた荷物の外装だけで驚く友也。

「桐箱だね。梨果、開けてみて。」

「う、うん。」

梨果が桐箱の紐を解き蓋を開けた。

「おおっ……なんか凄そうだけど俺が思ってたイメージと違う。」

「あぁ、成人式なんかで見る振り袖をイメージすると違うかもね。」

「そうそう、ああいうのを想像してた。」

「派手さはないけど華やかさがあるんだよ。」

「んー??」

首を傾げる友也。

「梨果が着た姿を見れば言った意味が理解できると思うよ。」

「そうなんだ。楽しみだね。」

「お着物にお間違いは無かったでしょうか。」

呉服店の社員が訊ねる。

「はい、間違いありません。遠くからありがとうございました。」

しっかり受け答えて深々と頭を下げる梨果。

「では良い晴れの日を。それではこれで失礼いたします。」

鈴善呉服店の社員は去っていった。


「着物が届いても着付けしてくれる人がいないと試着できないね。」

「確かに……でも嬉しい。おじさんありがとう!」

「父さん、これいくらしたの……?」

友也がこっそり聞いてきた。

「賞金を貰う前に三分の二を使ってしまったよ、あははは……」

梨果に聞こえないよう友也の問いに答えた。

「ええっ?!!」

「どうしたの?友也くん。」

「え?!いやなんでもないよ……」
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