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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第107章 梨果の飛躍
ジリリリリリリン♪ジリリリリリリン♪

「あ、電話だ。」

自宅の黒電話が鳴る。

「友也、出てくれる?私なら居ないと言っておくれ。」

「えー!?なんでよ。」

「いいからいいから。」

「もー……」

渋々玄関にある電話に応答しに行く友也。

しばらくして居間に戻ってきた。

「誰だった?」

「編集長さんだって言ってたけどいいの?会社は問い合わせの嵐だって。折り返し電話欲しいって言ってたよ。」

案の定だった。出版社に取材の申込みが殺到しているのだろう。

「無視無視。どうせマスコミは私の作品より梨果に興味があるんだろうしね。」

「え?マジ?私?」

「「「まぁそうだろうねえ……」」」

友也と奏音と美月が納得した。

プルルルルルルル♪プルルルルルルル♪

「なんだ今度は携帯か……」

今度は私の携帯電話に着信が入る。

「仕事関係の人間には番号教えていないのだが誰だろう……」

携帯電話を開いて見ると河海塾の大久保専務からだった。

「はい、もしもし。」

通話を繋ぐ。

『おはようございます。一条院巴先生ですか?』

「はぁ、大久保さんもその名前で呼びますか……」

『びっくりしました。まさか貴方が……おっと、この度はおめでとうございます。』

「はぁ、ありがとうございます。」

『うちに問い合わせの電話が凄いんですよ。』

「ああ……ご迷惑おかけしてすみません。梨果の件ですよね?」

『ええ、ぜひ御本人に取材したいと……』

「ではその本人に代わります。」

『え?いいんですか?嬉しいなあ。』

(あんたも梨果大好きだな……)

「はい、梨果。大久保専務だよ。」

梨果に携帯電話を渡す。

「お電話代わりました。ご無沙汰しております、小山田です。……はい……それはご迷惑をおかけしてすみません。……ええ。はい、ぜひお願いします。」

(えぇ~……)

「はい、また詳細は後日ですね。……はい、では失礼します。」

「ちょ!まって。」

手を差し出し電話を受け取る。

「もしもし大久保さん?もしもーし!……ってもう切れてるやん!」

「あれ?ダメだった?」

「いや……取材受けるの?」

「うん!」

「はぁ……」

梨果はノリノリだった。
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