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第115章 美幸との再会

「美幸さんまた来てね。」

玄関で梨果と友也に見送られ真田写真館まで美幸と向かう。入梅前の夜の住宅街の空気はまだ爽やかさがあった。

「正直もうおじさまには会わないと心に決めていたのです。」

「……そっか、いろいろ気を使ってくれていたんだね。」

「……」

「……」

「おじさま！！」

「おっと！」

急に美幸が抱き付いてきた。力強く胸に顔を押し付けてきた。

「ふえぇ……えええぇーーーん！」

泣き出したので頭を撫でてあげる。セーラー襟の三本線が目に入る。

「……頑張ったね、美幸さん。」

まだ14歳の彼女が単独で大人の世界でこの数ヶ月どれだけの忍耐と努力をしてきたのだろう。

「えええぇーーーん！えええぇーーーん！」

「よしよし。」

落ち着くまで頭を撫でてあげた。

「ぐすっ……ぐすっ……」

「落ち着いたかい？」

すでに閉店した酒屋の前にベンチが有ったので座らせる。自販機で飲み物を買って渡してあげた。

「はい、アクアスウェット。」

「くすっ……あは……あははは、あはははははは！ありがとうございます。」

「なんで笑うかなぁ。」

アクアスウェットを飲む美幸。

「だって、相変わらずおじさまはおじさまなんだなーって。あの一条院巴先生って知ってもおじさまはおじさまですね。」

「そりゃそうだ。」

「あははははは。」

「はははははは……」

「……やっぱり……大好きだなー」

「勿体ない、そんないいもんじゃないよ。」

「飄々としててそれでいて優しくて謎めいていて極めつけにエッチ。」

「あはは……最後は正解。」

「……下着見たかったですか？」

「えっ？！何の話？」

「ジャージから着替えた時残念そうでしたから。」

バレていた。

「ごめんなさい、友也くんに梨果ちゃんもいたので。」

美幸はベンチからすっと立ち上がり座る私と対峙した。月明かりに照らされる美少女。

「いやいや、そんなことは全然考えてなかったよ。」

「うそつき………はい。」