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第1章 プロローグ

アダルト動画を夫が見ていたということ自体、衝撃的でしたが、理由はわかっていました。不妊治療の際に、採精をするために、自慰が必要だったのです。ケースに精液を採取して病院に持ち込んだり、病院の採精室でアダルト動画を見ながら採取することは、不妊治療の際に、医師から説明を受けていた実雅子。それが癖になったのかもしれません。

メモしたタイトルをインターネットで検索すると、FANZAというアダルトサイトが表示されました。あとは、AV01とか、missAVなども表示されましたが、一番上に表示されていたFANZAというサイトを閲覧した実雅子。

動画は有料配信。ダウンロードしているのかもしれない。そう思った実雅子。USBメモリを持って、夫の書斎へ。その前に寝室を覗くと夫は疲れているのか、仰向けで天井に顔を向けて寝ていた。いつものようにスヤスヤという寝顔も大人しい夫。その夫の顔と、アダルト動画のタイトルのギャップがあったのは事実。

「痴漢」「犯された」「寝取り」などの文字。文章としても卑猥なタイトル。

ドアを閉めて、書斎のパソコンのダウンロードフォルダを確認した実雅子。18タイトルがそこにありました。USBメモリにデータを移そうとしましたが、メモリが不足。

32GBのUSBメモリ。移せすことができるのは、限られました。どれでもと思いましたが、どれもタイトルがタイトル。持っているUSBメモリを集めて、一つずつ移していった実雅子。

夫のパソコンをログオフすると、書斎を出て、USBメモリを家事室の机の引き出しに入れた実雅子。緊張感からドッと疲れた実雅子。そのまま、寝室に向かい、夫の隣のシングルベッドで寝ました。