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わたしの昼下がり
第28章 モーテル進出反対署名
 『男と女がハメるためだけの場所に来ましたよ』

 連れ込み旅館で△井が言っていました。『特定の目的』で人目を忍んで『利用』しているわたしも『健全な一般利用者』ではないのだと改めて思いました。

 でも、△井はこうも言っていました。

 『奥様方は何かしら秘密をお持ちなものですよ』

 どこまで本当なのかはわかりませんが、『不健全』な需要があるからこそ、実際に計画が持ち上がったりもしているのかもしれません。本当にモーテルができあがったら、からだを持て余している団地の主婦たちで繁盛するのかもしれないと思いました。子どもがそれなりの歳になったら、狭い間取りで壁も薄い団地の部屋では、思うようには夫婦の営みもできないでしょうから。

 うちにしても、今でこそ小学生の娘もあと数年もすればそんな問題に直面するはずです。夫がわたしを求めるようになれば…のことですけど。そもそも、間男まで作って、しかも家にまで上げているわたしが、住宅の問題にすり替える資格などないのでしょうけど。

 それでも踏み絵のような署名にあえて名前を書かない訳にもいきません。今回は、ちゃんと回覧板に挟まれていたものを確認しておいてよかったと思いました。中身も読まずに先に名前を書いてしまったのもよかったかもしれません。夫の名前まで。

 弁明に書いてある『人の流れが一定程度確保され』たり『地域社会との共存共栄』が本当に果たされてしまったら、秘密の味わいも違ってくるのかもしれないとも思いました。産院が賑やかなことに明るさはあっても、モーテルや連れ込み旅館が賑わってもそこに本当の明るさなどないことはきっと確かでしょうから。

 (『不健全』であってこその秘密…)

 もしモーテルができても、わたしは、連れ込み旅館を選ぶような気がしました。街道沿いで明るい太陽をさんさんと浴びているモーテルよりも、昼間でも薄暗いような路地にひっそりと建っている古びた連れ込み旅館を…。

 (そういう場所を、昼間に使うことだけ考えているのもおかしいのよね、きっと…)

 そんなことを思いながら、改めて『趣旨』を読み返すと、持っていたボールペンでところどころに線を引いてしまっていたのに気付きました。『特定の目的』、『不健全な者による不適切な利用』…。

 わたしは署名用紙を回覧板に挟み込むと次のお家の郵便受けに差し込みました。
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