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誰にも言えない回顧録
第1章 32歳 専業主婦
私のいた居室は座卓の脇のスペースに布団を敷いてもらっていたが、義叔父のほうはリビングのソファにそのまま横たわって寝ようとしているようだった。

そうあっさりと寝つけるものでもないだろう、「あんなこと」をしたというのに。
近づいてきた私の気配には当然気がついているはず。
どう振る舞うつもりか、私はしばらくじっと佇んだまま様子を見ていた。

いびきをかいているわけでもない。
寝息すら立てていない。
かと言って今目覚めたふりをしてとぼけて見せる度胸もないらしい。

「なじられる」と不安になっている?
それとも「やり過ごして知らぬふり」を決め込む?
いずれにしてもいささか卑怯な態度のように思えて、次第に私は自分が優位に立った気持ちになってきていた。

ソファの横にしゃがみ込む。
横たわったままじっとしているが、義叔父が息を吞んだように身を竦ませたように思えた。
綿の半そでTシャツに部屋着の短パン。
私はそっと短パンの前面、暗がりでうっすら見て取れる陰茎の膨らみに右手を伸ばし、人差指と中指の腹をそっと置いた。

硬くなっている。
おそらくはついさっきまで興奮しきっていたものが少々収まり始めているという感じ。
私はためらうことなく指先を下から上へ、下から上へと繰り返し撫で上げていった。

義叔父は全身を強張らせたまま身動き一つしない。
寝たままのふりでいよう、というわけか。
私の指先が蠢くたびに、触れられているところがどんどんまた硬くなってきているというのに。

そうくるならば。
短パンの前ぐりを探る。
ボタンとジッパーで開放できるようだ。
ボタンを外し、ジッパーを下端まで引き下げて短パンをはだける。

トランクスの布地が、張り詰め始めた陰茎に押し上げられている。
前開きから取り出すのは難しそう。
ウエスト部のゴムに手をかけ、強引にめくり下ろした。

義叔父の陰茎。
暗がりに慣れてきた私の目に、そそり立った輪郭が飛び込んでくる。
ふんわり私のほうにまで伝わる熱。
いかにも雄の、と言いたくなるような生臭い匂い。

導かれるように、全体を優しく握ってみて私はたじろいだ。
先端が液状のものでぬるつき、それが根元まで垂れてべっとりと濡れていたのだ。

知っている。分かっている。
義叔父がついさっきまで興奮しきっていた動かぬ証拠だ。

私の指の中で、それは少しずつ硬度を増していった。
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