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誰にも言えない回顧録
第1章 32歳 専業主婦
とっさの動作ではあったが、他にどうしようもなかった。
全身を縮こまらせて横臥し、私は必死に呼吸を鎮めながらじっとしていた。
とうに自慰で経験していた以上の快楽に翻弄されていた直後だけに、抑えようとしても全身が肉悦の余韻に震えるのを止められない。
秘裂から溢れ出した蜜液が、ゆっくり裏腿へ垂れ落ちていく感覚に身が竦む。

目を瞑ったままでいるので様子は窺えないが、唐突に振り払われたまま義叔父も呆然と傍らでじっとしているようだった。

我に返るならもう今ここで、しかない。
このままさりげなく私の身づくろいでもしてそっと離れてくれれば。
そうすれば翌朝目覚めた後には何事もなかったように振る舞えばいいのだ。
ちょっぴり寂しいけれど。

背後で義叔父が動く気配があり、そのまま離れていったようだった。
目を瞑ったままでいた私には、薄目を開けてみてもとっさの夜目には慣れないので様子が分からない。
どうするつもりなのだろう、ほぼ全裸に剥かれたまま放置されても困るけれど。
火照った身体にはいくらか心地いい状態ではあったが、そんなことも考え始めていた。

物音を立てないようにかゆっくりと義叔父が戻ってきた。
近づくや否やそっと背中に掌を当てられる。ひんやりした感覚に少々怯む。
私が反応を見せないことを確かめて安心したのか、そのまま柔らかい布地が静かに押し当てられた。
しっとり乾き始めていた汗粒を拭き取り始めようとしているようだった。

指先で汗ばみを確かめてはタオルを押し当て、背中を拭き終えるとそのままお尻、腿回りと
進む。
心地いい感触。考えてみれば滑稽な光景なのだが、不思議と私の心は落ち着いていった。

仰向けにさせられる。
乳房全体に浮かんでいた汗粒も拭き取られ、続けて腹部。
そして再び両脚を開かせて潤みの広がっていた内腿にもタオルが押し当てられ、丹念に拭き取られたのだった。

脱がされていた下着、ホットパンツやたくし上げられていたシャツもすっかり元通りに戻される。
最後にタオルケットをそっと掛けられ、義叔父は静かに隣室へ立って行った。

しばらく耳を澄ませていたが、動く気配はない。
義叔父もそのまま眠ろうとしているようだった。

これで、終わり?
落ち着いてみると今度は無性に物足りない。

私は静かに起き上がって、ふすまが開け放されたままの隣室へ忍び込んでいった。





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