この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
巫女は鬼の甘檻に囚われる
第15章 罪深きおこない

 士族に乗っ取られた冬の宮中は、かつての荘厳さを失い、緊迫した空気に支配されていた。

 広々とした大殿の床は、黒光りする板間に無数の傷が刻まれ、かつては色鮮やかな几帳や御簾(ミス)も、今はほつれ、煤でくすんでいる。柱には武士の刀が無造作に立てかけられ、華やかな金蒔絵の装飾は、ところどころが剥がれ落ちている。

 玉座の周囲には、粗野な声や甲冑の擦れる音が響き、かつて帝の声がこだました空間は、まるで戦場の野営地を思わせる荒々しさをおびていた。

「そこへ座れ」

 本来、帝が座るはずの玉座には、領主となった男がふんぞり返っていた。

 黒い甲冑に身を包み、腰に佩いた刀の柄に手を置くその姿は、威圧的で、しかしどこか落ち着きを欠いている。

「おぬしが、2日前に捕らえたという、怪しい術をつかう者だな」

 領主の声が、広間に低く響く。

 目の前で平服する巫女に、ゆっくりと視線を落とした。

「おもてを上げよ」

 巫女は静かに顔を上げ、領主の視線を正面から受け止めた。



/111ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ