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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第15章 罪深きおこない

都を攻めるために、モノノ怪の力を借りたのだ、この男は。
巫女は慌てて周囲を警戒した。が、宮中にはモノノ怪の気配は感じられなかった。今はここにいないようだ。
だが、彼女の心に違和感が走る。
(まって……! 何かが、変だわ)
「モノノ怪は……人に力を貸し与える時、必ず対価を求めます……」
彼女の声は震え、確信が胸を突く。
モノノ怪が無償で人と手を組むことはない。
もし、天災までもがモノノ怪の仕業なら、そこには計り知れない対価があるはずだ。
(神職者の追放? いえ、そんなものでは足りないはず)
目の前の男は五体満足。ではいったい何をモノノ怪に与えたというのか……!?
(ま、まさか……!?)
「村の女性は……!? あなたがたが連れ去ったという、若い娘たちは、いま、どこへいるのです?」
「クク…」
領主は答えず、代わりに外に控える侍を呼び寄せた。
「巫女を取りおさえろ!」
命令を聞いたふたりの侍が現れ、左右から巫女の身体を乱暴に捕らえた。
麻の衣が擦れて乱れ、衿元から彼女の肌がのぞく。
領主は厭らしい笑みを浮かべて彼女を見下ろしていた。
「動揺しているな。ようやく生意気なすまし顔が崩れた……いいぞ、もっと乱してやろう」
「あなたは自分が利を得るために、無関係な大勢の女性をモノノ怪に差し出したのですか!?」
「そうだなぁ……おかげで我の相手をする良い女がおらぬのでな。困っておった」
領主は下衣を弛め、ズルッと音を立てて自らの肉茎を露出させた。
巫女の眼前にそそり立つそれを見て、彼女の瞳に怒りと嫌悪が増幅する。

