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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第25章 後書き

 濡れ場だけのつもりで生まれた鬼と巫女の組み合わせが…性癖にブッ刺さり、どうしても両想いになるまでを書きたくなりました。

 いつもの衝動書き。あいかわらず世界観やキャラの裏設定は後追いでしたが、なんとか追いついてくれたおかげで、うまくまとまってくれたように思います。

 ファンタジーは物語のスケールが大きく、妄想していて楽しいです。

 いつか続編が書けたら、天界の美形神さまも登場させて、巫女をめぐり鬼とバトルしてほしいですね。巫女が天界で修行していたときのお師匠さまとか…どうでしょう?(今、これを書きながらうかびました)

 八百年前の事件や、大蛇(オロチ)のことも…

 深掘りしたいエピソードはいくらでもあるのですが、今回はこの衝動が燃え尽きる前にと、お話の軸をシンプルにして完結とさせていただきます。


 長い年月を孤独にすごしてきた鬼が

 巫女に執着する中でその美しさや強さに興味を持ち、人間の価値観、失う悲しさや恐怖を知って初めて、彼女への慈愛を獲得していく。

 そういうお話でした。


 それを成長──と呼ぶのは、少し傲慢かもしれません。


 人とモノノ怪
 人界と鬼界


 はたして人は、他の生き物より優れていると言えるでしょうか。今も歴史も、わたしたちは、そう胸をはって言えたでしょうか。


 そうではない。巫女を愛し、人間らしい感情を得た鬼は、おそらく以前よりも弱く…もろく、不安定になりました。

 かつて、鬼界を守るために友を殺した王ではなく

 愛しい女のためならば、世界を焼くであろう男となって。



 …そんな彼の変化を美しいと感じるわたしもまた、自分勝手な弱い生き物なのでしょうね。まったく、厄介な呪いです。

 この呪いが世界を焼くことにならないように、願いをこめて、ふたりの物語をハッピーエンドにさせていただきます。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。














 弓月 舞






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