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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第8章 鬼と巫女の攻防

 鬼は巫女の顎をそっと持ち上げ、逃がさぬように彼女を捉える。

「隠すな」

「…ゃ…っ……んん」

 そう言うと、鬼は彼女に口付けた。

 それは妖気を注ぐためのものではなく、彼女の心を探るような、深く官能的な口付けだった。鬼の唇は冷たく、しかしどこか熱を帯び、巫女の柔らかな唇をゆっくりと味わうように重なる。

「…んっ……ふ」

 彼女の息が止まり、心臓が激しく鼓動する。

 彼の舌がそっと彼女の唇を割り、滑り込む。ぬるりとした感触が彼女の口腔を犯し、逃げようとする舌を絡め取る。チュク…チュク…と水音が響き、鬼の長い指が彼女の首筋をなぞり、髪をそっと横に流した。その動きはまるで彼女の反応を一つ一つ確かめるようで、執拗で、かつ繊細だった。

「んん……んっ‥‥‥ふぁ」

「……」

 巫女は抗おうと手を鬼の胸に押し当てるが、力が入らない。鬼の舌が彼女の上顎を舐め、歯列をなぞり、深く絡み合うたびに、彼女の身体はゾクゾクと震えた。

 ヌルッ....クチュ

「‥‥は‥‥ぁっ‥‥ぁ‥‥ん、ん」

 口付けは長く、息継ぎの隙間さえ与えず、彼女の意識を甘く蕩かす。

 鬼の唇が一瞬離れると、彼女の吐息が熱く漏れ、半開きの唇から覗く舌が無防備に震える。鬼はそれを見逃さず、再び深く口付け、彼女の唇を吸い、舌を絡ませた。

 彼女の身体が熱を持ち、膝がガクガクと震え始める。口付けの合間に、鬼の低いうめき声が彼女の耳に響き、その音すら彼女を惑わせた。

 ....チュッ

「‥っ‥‥はぁっ‥!」

「……フッ」

 ようやく口付けが解けると、巫女はハァハァと荒い息をつき、目を潤ませて鬼を見上げた。


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