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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第8章 鬼と巫女の攻防

「俺を惑わしておいて…俺の欲望を縛る。
お前は本当に、ただの巫女か?」
「……」
....ニコッ
巫女は柔らかく微笑んだ。
それは、鬼がこれまで見たことのない、穏やかで清らかな笑みだった。
「わたしはただの巫女です」
その瞬間、縁側に差し込む朝日が一層強くなり、巫女の身体を金色の光で包み込んだ。
彼女の黒髪が光を反射し、まるで聖なる存在のように輝く。鬼は思わず目を細め、彼女の姿に息を呑んだ。彼女の言う美しさが、確かにそこにあった。
だが──それは彼が理解し、掴むことのできない、遠い光だった。
「お前は……本当に厄介な女だ」
鬼は呟き、彼女を強く抱き寄せた。
しかしその腕には、微かな躊躇いが混じっている。男は彼女のすべてを求めるあまり、自身が何かを見失いつつあることに、薄々気づき始めていたのかもしれない。
巫女は鬼の腕の中で静かに目を閉じた。
──…

