この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
木漏れ日をすくう手
第2章 雨音のかたち
雨は、まだやまない。
部屋の窓を打つ音が、昼間の保健室を思い出させる。
葵は制服を脱ぎ、やわらかな部屋着に着替えて、ベッドの上に寝転がった。

(優しくなる、か……)

椎名先生の声が、耳の奥でふわりと揺れる。
言葉の意味を考えるうちに、心がすこしずつ、落ち着いていくのを感じた。

あの人の手の温度。
落ち着いた話し方。
そばにいると、呼吸が整っていくような安心感。

先生にとっては、たぶん何気ない時間だったのだろう。
でも、葵にとっては、今日の雨も、放課後の沈黙も――
きっと、忘れられないものになる。

机の上には開きかけのノートと、濡れたままの傘。
静かな夜の部屋で、葵はひとつ、小さく深呼吸をした。

胸の奥に芽生えたこの感情に、名前はまだつけない。
ただ、そっと、そばに置いておきたかった。
/25ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ