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大きなクリの木の下で
第1章 初めて見せた弱さ

『決していやらしいことをするのが目的じゃないんだからね』

バスタオルで濡れた下半身を、竹本はせっせと拭いてゆく。
股間を拭きあげるにはどうしても股を開かなければいけない。

「失礼しますよ」

股を開いたのはいいものの、竹本は綺麗な女陰にしばし見とれてしまう。
濡れた尻の不快感から覚めた静香が
辺りを見渡すと、バスタオルを手にした竹本が、自分の股間を凝視していた。

「竹本…くん?」

「あ、いや、これはその…違うんだ!」

竹本は焦った。
この状況をどう説明すればいいのか戸惑った。
完全に泥酔女をお持ち帰りして強姦する一歩手前の状況に酷似しているからだ。

「何すんのよ!!」

静香の平手打ちが見事に竹本の頬にヒットした。
暴漢のパンチを軽々といなした竹本だったが、
動揺してしまっていたせいかまともに静香のビンタを食らっていた。

「落ち着いてよく聞いてください!」

竹本はじんじんする頬の痛みに耐えながら、ゆっくりと事のあらましを静香に言い聞かせた。
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