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終わりの温もり、始まりの愛
第7章 離婚届の余白
部屋に戻ると、机の上に一通の封筒が置かれていた。
中には離婚届と、ふたりの名前が並んでいる書類が静かに眠っていた。

誠一はそれを手に取るが、すぐに机に戻す。
書類は冷たく、無機質で、彼らの間に横たわる溝を感じさせた。

由紀子は黙って彼を見つめていた。
言葉はないけれど、空気は厚く張りつめていた。

「…終わりにしようって、ずっと決めてた。でも…」
由紀子がかすかに震える声でつぶやいた。

「俺も後悔してる。お前が、こんなに良い女だったってことを…」

数年ぶりに流れた涙が、ふたりの頬を伝い落ちる。
その涙は憎しみでも悲しみでもなく、ただ愛しさの名残だった。

そして、静かに部屋の中に響いたのは、長い間途絶えていた愛の囁きだった。
互いの身体を確かめ合うように、ゆっくりと重なり合う指先と吐息。

離婚届の文字は、しばし忘れ去られ、ふたりの過去と未来の境界は曖昧になった。
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