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レッスンの仕方が間違っている!
第12章 3次審査結果
「開けるぞ?」
「わ、ちょ!ちょっと待っ……」
「何だよ椿、どーした?入るぞ?」

 意味わかんねーし。
 裸とか見たことあるし、なに今更気にしちゃってんの??
 あーもーかわいす……

「ぎぃ!?」
「ぁあ!!だから、ダメだって!!待っ、おいこらっ!」

 猫!?
 何で猫!!

 全開になった扉から勢いよく飛び出してきたのは泡まみれの猫だった。

「……え。」

 椿は必死に目を逸らそうとするがそうはさせない。

「や、その……えと、あの。」

 椿は目を泳がせてから観念したように肩を落とした。

「ミャーーーッ」

 猫は功の足下をくるくる回り、頬擦りをしてきた。
 功の足が泡まみれになっているのは言うまでもない。

「ひとまず……落ち着こうか椿。タオル貸して。猫は任せろ。」
「……はい。」

 タオルを受け取って泡まみれの浴室を拭く。
 そのまま猫を抱き抱える。
 猫は人懐っこいのか抵抗する素振りはないようだ。
 椿は濡れた服を着替えながら心配そうに猫を見ていた。

 ここアパートだし借家だろ?
 いろいろまずいんじゃねーのか?

「なんかいろいろとごめん。今日はどーしたの?あと、その格好……」
「それ聞くのかよ。さっき言っただろ?上に言われてこの格好にさせられただけだよ。」

 やはり早口になる。

 心底恥ずかしい。
 椿ってこーゆーとこ無意識なのか知んねーけど、抜け目なく抉るよな……逆に感心する。
 宅配員って、コスプレでわざわざする要素もないだろ。
 だから余計恥ずかしい。

「ふーん……ふふふ……っ」

 案の定椿は笑った。
 だから笑いを遮って本題を早急に切り出した。

「あとは!これ。はい、見事最終審査合格おめでとう。」
「……?ま、真面目に?嘘……本当に!?これで功とこれからも一緒にいられるってこと!?」

 椿は目をキラキラさせて功からA4の封筒を受け取り抱き締めた。

 あ、あの椿さん……何その反応っ!
 俺死にそうなんだけど。
 しかもその構図も……マジでヤバい。
 可愛すぎ………

「ニャーーーォ……」

 お前は呑気だな。

 功は呆れ顔で猫の頭を撫でた。
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