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レッスンの仕方が間違っている!
第7章 3次審査まであと4日
「あぁーあ……昨日は結局広場で時間無駄にしちゃったな。肝心の歌対策も練れなかった。しかも帰ったらすぐ眠くなったりして……はぁ。」

 椿は部屋でイヤホンを着けたままベッドに座り込んでいた。

 審査まであと4日しかないのに……歌が上手い訳でも下手な訳でもない。
 ダンスみたいにキラキラしないし。
 何よりコンセプトの『楽しい』が欠落してるよ。
 よくここまで来れたよ僕。
 もう何でもいーから誰かレッスンつけて欲しい。
 アイドルはむしろ歌唱力が評価されるんだ。
 今回はたまたま裏にユニットの話があったから。
 確かに僕が残れた理由はそこだと思うし。
 多分『KOU』にひけをとらないダンサーで、かつ歌唱力が高いのが人選のポイントだよね。
 泣きたい。
 泣かないけど。
 泣けそう。
 あぁ冗談キツいか、笑えない。

「知り合いにうまい人居たかな?」

 スマホで電話帳を見る。

「居たら今困ってないか……やっぱりストリートで歌ってる良さ気な人探して、頭下げるしかないかなあ。」

 溜め息混じりに独り言を言って再び考え込む。

 今からじゃ、多分駅前のレッス教室は予約で埋まってる。
 しかも人気もあって、かなりハイレベルらしいし……
 挙げ句、通っても審査までで向こうは迷惑極まりないよな。
 仮に受かってもS★P専属契約のボイストレーナーがつく噂もあるし。
 どっちにしろ結果は同じだからなあ。
 ひとまずこうしてたって時間無駄か……

「探すか!!」

 椿は颯爽とベッドから降り、外に出る準備を始めた。
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