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裏切りと復讐
第2章 復讐

「それからもうひとつ、私はあなたに奥さんに不倫した事を話しなさいと言いましたが、言いましたか?」

「そ、それは・・・」

 間髪入れず私は携帯電話で後藤の家に電話をした。後藤の家内が出る。

「私は熊谷といいます。
はい、お電話を差し上げたのは、実はお宅の主人が私の家内と不倫をしていまして、奥様はご存知ですか? はい、・・・そうですか。ご主人は今ここに来ていましてそれを認めました。
後の詳しい話はご主人に聞いてください。失礼します。」

 電話を切り後藤を見る。

「あなたは教師でありながら、私との約束も守れないんですね。」

「すみません!家庭を壊したくなかったんです!」
「じゃあ、他人の家庭は壊れてもいいのですか?あまりにも身勝手な考えではないですか?よくそんな事で教師をしていますね。そう言う考えなら即刻教師をお辞めになった方がよろしいのではありませんか?」

「すみません、すみません!」

 後藤はソファが降り、土下座をした。

「後藤さん、頭を上げて下さい。私は土下座を強要してもいないし、強制もしません。」

「どうするかはこれからの貴方次第です。帰って、充分お考えください。 私はあなたに対してそれ相応の慰謝料請求をするつもりです。既に慰謝料の請求の調停の呼び出しが来ると思います。嫌なら家庭裁判所まで戦っても結構です。私はとことん争いますので承知ください。」

 後藤に帰る事を託し、彼は帰った。

「さて、典子。次はお前だが・・・」

「ごめんなさい!あなた!ごめんなさい、出来心だったの!本気じゃないの!信じて!お願い!お願いします!お詫びに何でもしますから!許してください!」

 典子もソファから降り頭を床に付け、土下座した。

「そんな誤り方を強制もしないし、私の心にも響いて来ないんだよ。最初から話してもらおうかな?全てを白状して貰うよ。私の心が晴れる様にね。」

 彼女の口からおずおずと話を聞き出した。
経緯はこうだ、2人は高校時代からの元々恋人同士だった。しかし高校卒業した頃典子が他の男と遊んでいたので関係が崩れて別れたらしい。年月が経ち後藤は教師になりここの学校に来た。そして半年前のクラス会で再会し、恋が再燃したと言うのだ。
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