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切り裂かれた衣
第4章 初めてのデート

食事が一段落すると二人の会話は、映画の話題から大学生活、好きな本や音楽へと広がっていった。匠がシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を熱く語る姿に、衣美は「ふふっ」と微笑む。
「やっぱり演劇サークル入ったら?」
「まだ……考え中」
匠は照れ臭そうにと笑いながら答えた。
「匠が演劇やるなら私もやろうかな~」
「え?」
驚く匠に衣美はニコッと笑う。
「だってさ、さっきの映画みたいに匠が他の女の子に告白とか……演技でも嫉妬しちゃうかも」
衣美はまたからかうつもりで言ったが胸の奥ではそれが自分の本心だと言うことに気づいていた。照れ隠しのつもりでもあるかもしれない。
「ははっ、衣美でもそんなこと言ってくれるんだ。嬉しいな」
匠の笑顔に衣美も釣られて笑った。
「浮気とか許さないからな~」
テーブルの下で衣美はパンプスの爪先で匠の脛をつついた。
デザートのチーズケーキは二人でシェアすることにした。衣美がフォークで一口食べ、匠に「はい、あーん」と差し出すと、匠は目を丸くして固まった。
「え、うそ、ほんとに?」
「映画の真似だよ。ほら、早く!」
匠は恥ずかしそうに口を開け、チーズケーキを食べる。
「……美味しい」
匠と呟くと何故か衣美は恥ずかしくなって俯いてから顔を上げた。
「ありがと……ふふっ」
「なんだよ、ありがとうって……ははっ」
何がおかしいのかわからない。それでも二人で顔を合わせて笑った。
「やっぱり演劇サークル入ったら?」
「まだ……考え中」
匠は照れ臭そうにと笑いながら答えた。
「匠が演劇やるなら私もやろうかな~」
「え?」
驚く匠に衣美はニコッと笑う。
「だってさ、さっきの映画みたいに匠が他の女の子に告白とか……演技でも嫉妬しちゃうかも」
衣美はまたからかうつもりで言ったが胸の奥ではそれが自分の本心だと言うことに気づいていた。照れ隠しのつもりでもあるかもしれない。
「ははっ、衣美でもそんなこと言ってくれるんだ。嬉しいな」
匠の笑顔に衣美も釣られて笑った。
「浮気とか許さないからな~」
テーブルの下で衣美はパンプスの爪先で匠の脛をつついた。
デザートのチーズケーキは二人でシェアすることにした。衣美がフォークで一口食べ、匠に「はい、あーん」と差し出すと、匠は目を丸くして固まった。
「え、うそ、ほんとに?」
「映画の真似だよ。ほら、早く!」
匠は恥ずかしそうに口を開け、チーズケーキを食べる。
「……美味しい」
匠と呟くと何故か衣美は恥ずかしくなって俯いてから顔を上げた。
「ありがと……ふふっ」
「なんだよ、ありがとうって……ははっ」
何がおかしいのかわからない。それでも二人で顔を合わせて笑った。

