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切り裂かれた衣
第1章 突然の告白

それでも真剣な匠の気持ちを聞いて、衣美はグッとスカートの上の震える手を握った。
「私で……いいの?」
衣美は何度か異性から告白されたことはあるがどれも怖くて断っていた。異性のギラギラとした感情に不快感を感じたのだ。けれど、目の前の匠からはそんなことを感じない。むしろ、次第に胸がドキドキとしてきたのだ。
匠は顔を上げると「はい!」と直立不動で返事をした。そんな姿に衣美は思わず吹き出して笑った。
「そっか、そうだった。お兄ちゃん、そんな子だったよね……」
衣美は柔らかい笑みを浮かべて、匠を見つめた。
「不器用で……それでも真面目で……弟君達に凄く優しくて……かっこよくて。本当にお兄ちゃんって感じで……私が小さい頃にお兄ちゃんがいてくれたらなぁって想像したお兄ちゃん像が君だよ」
「えっ……あ、ありがとう……ございます」
顔を赤くして震える匠に衣美はまた微笑んだ。
「凄く嬉しい。私のことを可愛いって……こんな人が大勢いる前で大きな声で言えるなんてさ……ふふっ馬鹿みたい。でも、本当に凄く嬉しい」
「……」
「私のために勉強頑張ってくれたんだ」
その気持ちが衣美には嬉しかった。これまでの告白とは違う暖かさや純粋さ、真っ直さに胸を打たれた。衣美は椅子から立ち上がるとニコッと笑ってから頭を下げた。
「これから、よろしくお願いします」
数秒後、自然と食堂内に拍手と口笛が溢れた。顔を真っ赤にする匠の手をそっと握りながら衣美は笑みを浮かべた。
「私で……いいの?」
衣美は何度か異性から告白されたことはあるがどれも怖くて断っていた。異性のギラギラとした感情に不快感を感じたのだ。けれど、目の前の匠からはそんなことを感じない。むしろ、次第に胸がドキドキとしてきたのだ。
匠は顔を上げると「はい!」と直立不動で返事をした。そんな姿に衣美は思わず吹き出して笑った。
「そっか、そうだった。お兄ちゃん、そんな子だったよね……」
衣美は柔らかい笑みを浮かべて、匠を見つめた。
「不器用で……それでも真面目で……弟君達に凄く優しくて……かっこよくて。本当にお兄ちゃんって感じで……私が小さい頃にお兄ちゃんがいてくれたらなぁって想像したお兄ちゃん像が君だよ」
「えっ……あ、ありがとう……ございます」
顔を赤くして震える匠に衣美はまた微笑んだ。
「凄く嬉しい。私のことを可愛いって……こんな人が大勢いる前で大きな声で言えるなんてさ……ふふっ馬鹿みたい。でも、本当に凄く嬉しい」
「……」
「私のために勉強頑張ってくれたんだ」
その気持ちが衣美には嬉しかった。これまでの告白とは違う暖かさや純粋さ、真っ直さに胸を打たれた。衣美は椅子から立ち上がるとニコッと笑ってから頭を下げた。
「これから、よろしくお願いします」
数秒後、自然と食堂内に拍手と口笛が溢れた。顔を真っ赤にする匠の手をそっと握りながら衣美は笑みを浮かべた。

