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砂漠の王に捧げる夜 ―ただひとときでも、あなたの愛を―
第1章 夜伽なき王と、影の侍女

「……カリーム」
ユリーナ様が吐息交じりにそう名を呼ぶと、王は微笑んで彼女の肌に口づけを落とした。
私は動けなかった。
身体が硬直し、足が床に縫いとめられたようだった。
それが「いけないもの」だとは理解していたのに、目が離せなかった。
王の手が、ユリーナ様の胸元へ滑っていく。
指先がふわりと触れるたび、ユリーナ様の唇からこぼれる声が、私の心を震わせた。
――ああ。
今でも、時折夢に見る。
ユリーナ様のあの艶やかな吐息。
そして何より、ユリーナ様を愛でる王の優しい瞳。
私にとってカリーム王は、最初から“この世のものではない存在”だった。
けれどそれから幾夜も、王の背を遠くから見つめるうちに、私は気づいてしまった。
あれは憧れではない。
あれは――恋だったのだ、と。
ユリーナ様が吐息交じりにそう名を呼ぶと、王は微笑んで彼女の肌に口づけを落とした。
私は動けなかった。
身体が硬直し、足が床に縫いとめられたようだった。
それが「いけないもの」だとは理解していたのに、目が離せなかった。
王の手が、ユリーナ様の胸元へ滑っていく。
指先がふわりと触れるたび、ユリーナ様の唇からこぼれる声が、私の心を震わせた。
――ああ。
今でも、時折夢に見る。
ユリーナ様のあの艶やかな吐息。
そして何より、ユリーナ様を愛でる王の優しい瞳。
私にとってカリーム王は、最初から“この世のものではない存在”だった。
けれどそれから幾夜も、王の背を遠くから見つめるうちに、私は気づいてしまった。
あれは憧れではない。
あれは――恋だったのだ、と。

