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HEAVEN~時を超えて~
第3章 錯乱
『・・・』

ある日の昼間、あたしは2階の窓のカーテンを開けて
外の景色をぼんやりと眺めていた


本当に完全に自由にさせてもらってる訳ではないから
さすがに外に一人では出してくれない

今の現状に慣れつつも
ふとした瞬間に…ちょっと心が淋しくなったりする

外に出して貰えたのもほんの数回
この家の周り…近くを
彼に手を繋がれて少し歩いたくらいで

あたしは未だに、自分のいる場所も
ドアの向こうの景色の…名前も、地形も
道すらも知らないのだ


『ハァ…』


ちょっとだけため息がもれた



外…行きたいな



そんなに外に出た事がないのは


チラ…


奥のデスクでPCに向かうその人が

よく知らない…どころか全く
名前すらも未だに知らないその人の

おそらく仕事してる時間が
それなりにあるからかな



なによ…自分はリモートでなんとかなる仕事で
だからこんな事が出来たんだ

あたしは突然連れてこられて何もわからないまま
仕事も…きっとクビになっている
日常が壊れたままなんだ


そうよ…おかしいのよ、こんな状況


モヤ・・・モヤモヤ


時にこんな風に胸が悪くなる


あれ、、なんかマズイ
これって立派な精神不安かな…


だけどそれは、あたしにとっては
本来の正気を保つ…忘れない為の大切な感情でもあった
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