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第10章 本当のお前

月曜日。

いつもの学校風景の朝を迎えた。

だが教師の朝礼になっても尚の姿はなかった。


英介は自席の隣に座る教師に尋ねた。

「今日、渡辺先生は？」

「ああ、この時期になったら必ず1週間休むんですよ。亡くなった旦那さんの命日ですからね」

‥自宅か‥

‥今日は授業があるが明日、明後日は無いな‥


英介は休暇願いを提出した。



その日の午後から美和も昴も授業がなく自席に座り仕事をしていた。

「‥はい、はい‥少しお待ちください。‥櫻田先生、息子さんの学校から電話！」

「‥はい、お電話代わりました。櫻田です‥はい、えっ！‥」

美和は受話器を握り締めながら茫然としている。

不思議に思った昴は美和から受話器を奪い話しを聞いた。

「‥はい、はい、わかりました。今、伺います」

受話器を置いた昴は美和の腕を掴み車に急いだ。