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第1章 第一部　拘束概要

この日、警察学校の柔道場には多くの人が集まっていた。その中には警察官採用予定の新人、女性12名もいた。女性たちは国旗が掲げられた上座の方を向き、礼儀正しく畳に引かれた赤枠内に4列3縦隊で整列していた。

彼女たちは警察学校での初任補修過程を修了し、もうすぐ指定警察署での実戦実習を控えた者たちだった。この拘束体験研修は必修科目には含まれておらず、評価もされない。参加は希望者のみであった。運動着を着用する彼女たちの表情は緊張で強張っていた。その運動着の胸元にはテープが貼られ、参加者の名前を伏せる目的でA～Dの班名と、1～3の番号が書かれていた。

道場内は異様な雰囲気が漂っていた。学校の講師と、学校関係者数名、そしてこの研修のためだけに外部から招かれた、特別講師が4人立っていた。特別講師はすべて女性だった。壁際にはテーブルが幾つも並べられ、その上にはスーツケースや段ボールなどが置かれていた。