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新人警察官の拘束体験研修
第3章 第二部 後章 HELP!
参加者は拘束された状態で、きちんと彼女の話を聞いていた。

「みんなを拉致・監禁して…口枷をして声を封じるということは…助けを呼ばれては困るということです…ということは…みんなが監禁されている場所の近くに…住宅街や商業施設…工業団地や会社、学校などがあるという事です…」

女性講師は道場の壁かけ時計を見つめた。

「今から30分以内に…大きな声で助けを呼べた人は…それから先は自由時間…この研修が終わるまで自分の時間を過ごしていいです…」

講師から『自由時間』という言葉を聞き、参加者の表情がパッと明るくなったようだった。

「いい…?口の中の詰め物を吐き出すのよ…じゃあ…スタート!」
講師は全員に聞こえる大きな声で開始を指示した。

ほとんどの参加者はスタート同時に、体をうつ伏せにしていた。畳に顔を向き合わせる姿勢を取っていた。

実は拘束具の担当講師は2年ほど前、他の警察学校で同様の研修を行った際、猿ぐつわや口枷の検証を行ったことがあった。
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