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新人警察官の拘束体験研修
第3章 第二部 後章 HELP!
講師はポケットから名刺サイズのカードを出し、赤いペンで4-5個のキーワードを記入していた。そして目隠しの結び目近くにカードを挟み、彼女の元を離れた。

彼女は順々に周り、手錠をレザーリボンの拘束へ、アイマスクからリボンの目隠しと拘束を変え、口枷を外すアドバイスを伝え、女性たちのイメージを手助けし、最後にはカードを添えることを忘れなかった。

足に手錠をかけた3人に対しても、リボンの拘束に切り替え、それぞれのイメージに対応していた。

講師は道場の時計をチラリと見た。制限時間まで残り5分となっていた。参加者12名全員が目隠しをされた状況では、残り時間は大して意味を持たなかった。彼女も『タイムアップ』と伝えるつもりはなかった。彼女が様子を見て回った限り、口枷を外せそうな該当者は見当たらなかった。

彼女はタイムトライアルが始まる前、30分で口枷を外せれば自由時間を取ってよい、というアメをちらつかせたが、ムチのことは触れていなかった。ムチは彼女たちの頭の中に12通りある、と拘束具担当の女性講師は考えていた。

最初は興味本位で、お遊び感覚で、この研修を単なる通過点と参加してきたが、解けない拘束という障害に直面し、彼らの中で現実味が増していた。実際に体験しないと分からない、歯がゆさ、力の無さ、手の施しようがない諦めが彼女たちの中でイメージを膨らませていた。
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