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新人警察官の拘束体験研修
第5章 第三部 後編 水面(みなも)の波紋
数分後、手を洗う水の音が中から聞こえ、みずきは扉を開けて出てきた。すぐ近くで待っていた彩を見つけ、「ありがとうございました…」と再びお礼を伝えた。

彼女は自ら両手を彩に差し出し、投降の意志を示したが、彩は首を横に振った。その答えに驚き、みずきは奥二重の大きな目で彩を見つめていた。彼女の髪は整えられ、水気を含んでいるように見えた。

「他の人たちも休憩を与えられているんですか…?」と彩に尋ねてきた。

彩は、「うん…」と嘘をつき、彼女から視線を外し、「さあ行きましょう…」と肩に手を添えた。

みずきは彩の仕草でそれが嘘だと見抜き、彼女の肩の力がフッと抜けていった。

彩はしばらく廊下を進み、『女子更衣室』と記された部屋の前で止まった。スライド式の扉を横に動かし、みずきを先に入れた。
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