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腹痛
第1章 Stomachache

金曜の夜、会社帰り。月末なのもあって、残業した。もう11時過ぎだ。
東京の大学を受験するのと同時に上京して、もう10年が経つ。東京という街は、かつての憧れや輝きを失い、生活の一部となり、路脇の缶チューハイのごみが風俗店のネオンをキラキラと反射する。日付が変わっても電車が残っている、というのが、東京の唯一の良心だ。
残業は、日中に仕事をこなせなかった人間に与えられた、帳尻合わせの時間だ。自分には、仕事を昼に終わらせるだけの能力がなかった、ただそれだけだ。残業代は、無能に与えられる恥のドブ金である。私は、その汚い金で生きているんだ。私は、そうやって生きていくしかないのだ。
新宿駅から、電車に乗って、30分。東京郊外にある自宅の最寄り駅に着くころには、この町はすでに眠っている。もうすぐ日付が変わる。
コンビニで焼鮭弁当と発泡酒を買い、帰宅。
東京の大学を受験するのと同時に上京して、もう10年が経つ。東京という街は、かつての憧れや輝きを失い、生活の一部となり、路脇の缶チューハイのごみが風俗店のネオンをキラキラと反射する。日付が変わっても電車が残っている、というのが、東京の唯一の良心だ。
残業は、日中に仕事をこなせなかった人間に与えられた、帳尻合わせの時間だ。自分には、仕事を昼に終わらせるだけの能力がなかった、ただそれだけだ。残業代は、無能に与えられる恥のドブ金である。私は、その汚い金で生きているんだ。私は、そうやって生きていくしかないのだ。
新宿駅から、電車に乗って、30分。東京郊外にある自宅の最寄り駅に着くころには、この町はすでに眠っている。もうすぐ日付が変わる。
コンビニで焼鮭弁当と発泡酒を買い、帰宅。

