この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の愛する未亡人
第1章 隣の席の未亡人

ーー気づけば、佳織が用意してくれた岳の服を着て、岳の部屋で眠っていたらしい。
カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。
まばたきをして、のそのそと起き上がる。アルコールのせいで喉は渇ききっているが、頭痛などはない。
ベッドに岳の姿はない。枕元のスマートフォンを見ると、九時を過ぎている。もう出勤したのだろう。
「二人で相当飲んだなあ…」
昨夜、普段持ち歩いている旅行用の歯ブラシセットで歯磨きをした記憶がある。
ゆっくりと部屋を出て、用を足すついでに乾ききった口を潤すべく、歯を磨く。
洗面所で歯を磨きつつ、うっすらと隙間のある引き戸の奥では、テレビの音が聞こえた。
佳織がテレビを見ているのだろう。
声をかけようか迷ったが、何か家事をしているかもしれない。
向こうから声をかけられるまでは、部屋にいよう。
ーーその考えが間違いだった。
布団に入って目を閉じてしばらくすると、コンコンとノックされ、佳織が入ってくる。
「さっき、起きてきた音がしたから。具合、大丈夫? 缶が沢山空いてたから。岳も相当付き合わせたのね。テーブルの上にお水置いておくから」
佳織はしゃがみこみ、布団を敷くために壁に寄せられたローテーブルに水のペットボトルとグラスを置いた。
目線の先に、佳織の臀部が見える。
(やばい)
最悪だった。絶対考えてはいけないことだった。
「本間さん」
「ん?」
振り返り、枕元に佳織が手をついた。
理央は顔を上げる。
佳織は濃い緑色で、二の腕を隠すような袖のゆったりとしたマキシワンピースを着ていた。
ウェストが絞られていて、ついた膝より前に手をついたことで胸元が強調される。
理央がいるからなのか、既に顔にはメイクが施されていた。
どきん、どきんと胸が高鳴る間もなく、理央は佳織の腕を引っ張る。体勢が崩れたところで、佳織の体を布団の中に引き込む。
「きゃっ……」
声を上げるとほぼ同時に、佳織の体はすっぽりと理央の腕の中に収まる。
「……本間さんと、ぎゅってしたい」
「え、えぇ……?」
佳織が困った声を出した。
だが、体を強引に撫で回すわけでもなく、子供が母親にするように自らを抱き寄せるだけの理央の背中に、佳織は恐る恐る手を回した。
カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。
まばたきをして、のそのそと起き上がる。アルコールのせいで喉は渇ききっているが、頭痛などはない。
ベッドに岳の姿はない。枕元のスマートフォンを見ると、九時を過ぎている。もう出勤したのだろう。
「二人で相当飲んだなあ…」
昨夜、普段持ち歩いている旅行用の歯ブラシセットで歯磨きをした記憶がある。
ゆっくりと部屋を出て、用を足すついでに乾ききった口を潤すべく、歯を磨く。
洗面所で歯を磨きつつ、うっすらと隙間のある引き戸の奥では、テレビの音が聞こえた。
佳織がテレビを見ているのだろう。
声をかけようか迷ったが、何か家事をしているかもしれない。
向こうから声をかけられるまでは、部屋にいよう。
ーーその考えが間違いだった。
布団に入って目を閉じてしばらくすると、コンコンとノックされ、佳織が入ってくる。
「さっき、起きてきた音がしたから。具合、大丈夫? 缶が沢山空いてたから。岳も相当付き合わせたのね。テーブルの上にお水置いておくから」
佳織はしゃがみこみ、布団を敷くために壁に寄せられたローテーブルに水のペットボトルとグラスを置いた。
目線の先に、佳織の臀部が見える。
(やばい)
最悪だった。絶対考えてはいけないことだった。
「本間さん」
「ん?」
振り返り、枕元に佳織が手をついた。
理央は顔を上げる。
佳織は濃い緑色で、二の腕を隠すような袖のゆったりとしたマキシワンピースを着ていた。
ウェストが絞られていて、ついた膝より前に手をついたことで胸元が強調される。
理央がいるからなのか、既に顔にはメイクが施されていた。
どきん、どきんと胸が高鳴る間もなく、理央は佳織の腕を引っ張る。体勢が崩れたところで、佳織の体を布団の中に引き込む。
「きゃっ……」
声を上げるとほぼ同時に、佳織の体はすっぽりと理央の腕の中に収まる。
「……本間さんと、ぎゅってしたい」
「え、えぇ……?」
佳織が困った声を出した。
だが、体を強引に撫で回すわけでもなく、子供が母親にするように自らを抱き寄せるだけの理央の背中に、佳織は恐る恐る手を回した。

