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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第17章 ただ腕の中で漂う。

 馴らされもしていないのに人の指より太い肉棒なんて挿入りっこない。
 急な抽挿でビリビリと肉を引き裂く音が聞こえる。

 中が裂けたのだろう、真っ赤な鮮血が太腿を伝って滴り落ちていく……。


 痛い。
 痛い、やめてっ!!


 ひとつ目が終わればまた次が、そしてまた次も――。
 いくつものペニスがあたしの孔を掘り、穿って愛液を目いっぱい注ぎ込む。
 どんなに泣いて謝ってもあたしへの責めは終わらない。


「いやっ、やだっ!!」
 あたしは身体を丸めてひたすら自分を守るしかできない。

「ごめんなさい、ごめんなさい……も、ゆるして……ゆるしてっ……っひぃぃい……」


「……澪ちゃん」
 だれ?
 あたしの名前を呼ぶのは――。
 また、優しい声音が聞こえた。

「大丈夫、何も心配なんていらないよ……」
 ふんわりあたしの身体が包まれる。

 気がつけば、あたしを取り囲む男の人たちの姿は消えている。
 あるのは、ほんのり薄暗い夜の空間。

 だけど真っ暗じゃなくて、オレンジ色の照明が照らされている。
 どこか遠くで虫の羽音が聞こえている。

 静かで穏やかな、夜。


「ゆいと、さん……唯斗さん……」
 手を伸ばせば、背中から腕を回してくれる優しいそのひと……。


「よしよし、怖い夢を見たんだね。大丈夫、傍にいるよ……」
 あたしの頭を撫でてくれる大きな手。


 ……ちゅ。
 泣きじゃくる幼子をあやすようにして、あたしの旋毛に口づけを落としてくれる。


 ――ああ、唯斗さん。
 好きです。


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