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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第18章 ずっと好き~せめて想うだけでも許してください。

 悲しくて唯斗さんの顔、見られない。
 唇を引き結んで、あたしにとっての残酷な言葉を待つ。

 さようなら、を――。


 だけど、唯斗さんの態度はあたしの想像とは少し違っていた。

「昨日、なぜ逃げた?」
「えっ!?」

 想像さえしていなかった返事。
 まるであたしを責めるような発言に、あたしはびっくりして条件反射で顔を上げた。

 唯斗さんを見れば――。

 眉間に深い皺。
 それに引き結ばれた唇はほんの少し自虐的な雰囲気をしている。
 唯斗さんの表情はとても曇っていて、なぜだろう。
 悲しそうな、苦しげな表情をしていた。


「俺が嫌になったから?」
「えっ、ちがっ!」
「もう抱かれたくないから?」
「ちがうっ!」
「いい年した叔父さんが手を出してきて気持ち悪かった?」

「違います!!」


 そしてあたしは――。
 とうとう言ってしまうんだ。

「唯斗さんが、好きだからっ!」

 ――っつ!

 ああ、告白してしまった。

 告白しないでおこうと思っていたのに……。

 終わった。
 セフレのクセに重いって言われる。
 これで嫌われるの決定だ。

 少し抱いただけで本気にするなんて、馬鹿な娘だと思われてしまう。

 これだけは避けたかったのに……。
 しかも条件反射で、言い合いみたいな告白。
 こんな形で告白してしまうなんて……。
 最悪だ。


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