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魅惑~甘く溺れる身体と心。
第2章 「あたし」という素材。

 あの骨張った大きな手があたしの乳房を包めないくらいは大きくなっていると思う。
 胸の谷間もしっかりできるようになったよね。
 あの細くて長い指はあたしの乳首をどう摘むのかな。

 ピンク色に染まったここは好きになってくれるかな。

 唯斗さんをイメージしながらそっと揉んでいく。

 ……ああ、ため息が漏れちゃう。
 乳首も尖らせて、もっと綺麗な色に仕上げなきゃ。
 摘んでは引っ張って……。

「唯斗さん……」
 呟けば、濡れた声がバスルームに響き渡る。

 感じているのは胸だけじゃない。
 みぞおちと、そのさらに奥にある子宮も、だ。
 
 シャワーをそっと当ててみれば、少しだけ刺激があるけれどこんなんじゃ満足しない。
 だからあたしは急いで髪も洗ってバスタオルを巻いて部屋に戻る。

 ベッドの前。等身大の鏡に向かって開脚してみる。
 太腿を割り開けば、ほんの少し見える秘部。
 ここ、気に入ってくれたらいいな……。

 肉壁の中に薬指をそっと入れてみる。
「――ん」
 続けて中指も――。
 つぷんと水音を含んだ肉の音を立ててゆっくり入ってはくれる。
 指は2本、なんとか入るようになったけれど、きっとこんなんじゃないよね。
 友達の体験談とか、よく女子トークするんだけれど、みんな良く濡れるって言ってた。
 初めは痛いらしいけど、慣れたら快楽も出てくるらしい。
 今のあたしはひりひりするだけで少しも気持ちよくなれない。

 唯斗さんを受け入れても不感症だったらどうしよう。
 胸を触るのは気持ちいいのに……。

 でも、でもでも、ちゃんと咥えられるようにならなきゃ!



 《「あたし」という素材。・完》
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