この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
銀狼
第6章 獣の愛
「‥‥は ぁ‥ッ…」
「……ふっ…」
・・・・チュッ‥
不意に、唇が離れた。
赤く潤んだセレナの瞳を
銀狼が覗きこむ。
「愛してやろうか……。
剣(ツルギ)のような…──獣の愛で」
まるで、洞穴の天井からポトリポトリと滴り落ちる水玉のように
一音、一音をゆっくりと…男はセレナに囁いた。
.....
「──…っ」
獣の愛──
「…何…を、言っているの……?」
「──…」
切れ長の目が、彼女を試すように妖しく見つめてきた。
──人離れしたその、美しい眼。
「……!? 」
動揺して泳ぐセレナのブルーの瞳に
口角を上げてふわりと笑った銀狼の顔が映りこむ。
そして男の、グレーの瞳が…。
「───」
セレナの身体から
徐々に力が失われていった。