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銀狼
第7章 還るべき地

銀狼の意外な反応に度肝を抜かれたセレナ。

“ なによ…、無視…!? ”

それはそれで、こちらの緊張を返してほしい心持ちになった。

目尻が僅かにつり上がる。

ムッとした表情で彼の顔を睨み付けた。

しかしそんな彼女を馬鹿にするように、彼は此方に顔は向けないまま長い尾でパタパタとはたいてきた。


「…ッ…わ、…ちょっ」


ふさふさとした尻尾にからかわれたセレナは顔を赤くする。


「やっ…やめなさいよ!」


顔を庇おうとセレナは腕を上げ──


そうした時


彼女は、左腕のドレスが破り取られているのに気が付いた。



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