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銀狼
第7章 還るべき地
“ せめて自由に…駆け回らせてあげたかった ”
──広い草原を、沢山の仲間たちと一緒に。
そんな場所が本当にあるのなら。
せめて、生まれ変わった先が、あるのなら…。
「…わたしに…、願う権利なんて…ないけれど…」
喋るセレナの声量が小さくなる。
日の光を浴びた狼の毛皮に身体を包まれて心地よかった。
もう十分に眠った筈なのに、セレナはさらなる眠りに誘われてしまう。
──・・・フワッ
「──…?」
しかし眠りの世界へ身を任せようとした彼女がそっと目を開けると、そこに狼の姿はなく
人型の彼に横抱きに抱えられていた。
「……っ」
「……お前に見せてやろう」
銀狼はそう言うと、上空へ飛び上がった。