この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
銀狼
第8章 雨(アマ)の鎮魂歌


「──…此処にいたのか」


ちょうど背が幹の窪みにおさまった時、木の陰から銀狼が姿を現した。

人型の彼は長いマントの裾で周りの鳥達を払うように歩いてくる。

一瞬固まったセレナはすぐにツンと顔を背けて、両手で包み持つ果実を口に運んだ。

銀狼はそんな彼女の前で立ち止まる。


「…時間だ。日が暮れる前に、私は此の森を降りねばならない」

「……、い、嫌よ」

「口答えをするな…」

「……っ」


彼の言葉に反抗して動かないセレナだったが、同じく銀狼もその場を離れない。


「言った筈だ。此処は私の任された地ではない…。自らの森を離れたところを、天の目に入れるわけにはいかないのだ」

「…天?」

「──我を見張るは、闇夜に浮かぶ月の影。私の天は其処に在られる」


彼にとっても譲れないのだ。


「天が現るまで時…僅か。──…此処を降りる。早くしろ」


黒毛のマントから覗く白い手が、掌を向けて彼女に差し出された。



/276ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ