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銀狼
第2章 禁断の森
小屋の扉を叩き破り、彼等は中へと押し入る。
そこは既に住人を失った後だった。
「…何をする気なの…!? 」
不気味に笑う男達に、セレナの不安は益々大きくなる。
「お前にお似合いの物をやるよ、お貴族様…!! 」
「あっ…や…!! 」
蛙鼻の男が手にしていたのは植物の蔓で編まれた太い首輪。
彼は抵抗するセレナを捕まえて彼女の細首にそれを固定してしまった。
「へへ…似合ってるぜ?」
「──…ッ」
首輪に繋がったロープが──男の手に握られている。
セレナの顔は悔しさのあまり真赤であった。
…彼女の普段の生活は、一般的な貴族のそれとは異なるもので、宮殿の女性達のような綺羅びやかなドレスも趣味も彼女には無い。
だがそれでも、身体に流れる貴族の血には揺るぐことの無いプライドがあり、またそれに恥じない清く美しい自分を守ってきたつもりだ。
それなのに…侯爵令嬢である自分が
こんな連中相手に、されるがまま。
セレナは深く傷ついた。