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銀狼
第9章 禁忌の果実を貪れ──
今のローを襲うのは、焦りにも似た感覚。
初めて乱される自身の心。
制御の効かない理性の狭間。
……それは全くの誤算であった。
困ったものだ。
私の下で、私を誘うこの人間……この女が愛しくて仕方がない。
少しでも気を抜けば、熟れて色づいた華奢な身体に私は牙を立ててしまう──。
「……っ…」
お前はどうなのだ?セレナ…。
あれほど死に急いでいたお前だ…。
此処で私に喰われるのは本望なのか。
「───…ッふぅ!! ……んん‥っ‥ハァァ……」
強く突き込まれのけ反ったセレナの細首。
絞りでる艶のある声。
男はうっとりとそれに耳を傾けた。
セリュスにも負けぬ媚薬は其れだセレナ。
お前の全身から焚き上がる雌の匂いと共に、私の理性を蝕むは──。