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銀狼
第10章 討伐


「…お嬢様の行方が途絶えた場所──賊達の死体を発見したあの場所の、すぐ近くでございます」

「やはりそうか」


森の形状が示された地図を机いっぱいに広げ、アルフォード侯は再び椅子から腰を上げると落ち着いた口調で命じる──。


「街にいる全ての銃士隊に招集の命をかけなさい。狙いを定めた上で、この周辺を徹底的に調べ上げる必要がある」


これはセレナを救うためだけではない。


「狼の巣窟が近くにある可能性が高い。そして銀狼……いよいよ決着の時だ」

「──…では長官、ぜひ僕にも参加の許可を」

「…しかし君にはまだ銃の所持を許可していない」

「はい、ですが…っこのサーベルで」

「……」

「せめて、ひと太刀」

「…そうか…君は確か母親を狼に…──いいだろう、同行を許可する」

「──…はっ!」


力強く敬礼をした青年は

一礼を済ませた後で執務室を出て行った。










───…




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