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銀狼
第10章 討伐
それを合図に各々の寝床から狼が顔を出した。
皆、慣れぬ昼の日に眼を眩ませながらも祭壇上の彼を見上げている。
「今より我等が為さねばならぬこと…。
……それは戦いだ、愛すべき同胞たち」
戦い、そして殺せ。
我等の聖地を侵す輩を
穢し、略奪を繰り返す愚かな人間達を。
「其の身が傷つき肉を裂かれようとも…仲間の屍を踏み越え、最期の牙を剥き出せ」
グルル・・ッ・・・
「──私も共に闘おう」
銀狼の前には既に夥しい数の狼が集まり
全身の毛を逆立て激しく唸っていた──。
───…