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銀狼
第11章 儚き運命
───
銃士隊が作った切り株を目印に走るセレナ。
辺りは明るさを失いながら、森特有の不気味な静寂を取り戻しつつあった。
夜の帳( トバリ )が落ちる──。
森の影達が、まるで生きているかのようにザワザワと伸び始めた。
…しかし彼女は怖れなかった。
暗がりの中を駆け抜けながら、彼女は周りの木々に守られているような気がしてならなかったから。
それはとても不思議なこと…
「…ハァ…ハァ、…!? …この、ペンダント…──」
セレナは走りながら目線を落とした。
ローに渡された宝石のペンダントは、まるでそれ自体が光を放っているかのように彼女の胸元をぼんやりと照らしている。
そこから何か…温もりのようなものを感じるのだ。