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銀狼
第11章 儚き運命
「今戻っても手遅れです!! きっとッ…あちらは戦場だ…っ…!! あ…危ないですよ!」
「──…それでも行くわ」
「…っ…何故ですか?」
「……」
何故って、そんな
正当な理由なんてない
正しい答えなんて見つからない。
今の想いを口走ったら…誰もがわたしを侮蔑する。
けれど
わたしは、" 彼 " のことを……!!
「二人はこのまま街に帰って」
セレナは柄( エ )を持つ手に力を込める。
「絶対に……追って来ないで」
固まった彼等を見据えたまま後ずさった。
そして──
ある程度の距離ができると、短剣を片手に背を向けて走り去った。
セレナの目は揺れていない。
その背中は迷い無かった。
" 彼 " が居る場所を目指して──。