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銀狼
第11章 儚き運命
「──…っ…駄目だ!隊を崩すなーー!!」
指揮官の声が兵士達に向けられる。
必死の形相がうかがえる──喉を殺してしまいそうな激しさで吠える人間達。
───
セレナの来た道を猟犬を使って辿り、見付けた洞窟。
それは広い鍾乳洞へと変わり、そして行き止まりかと思われた岩壁には蔦で隠された通り穴があった。
その先へ抜けると現れた円形状の空間。
其処はまさに目的の場所、その物であり
兵達は計画通り群れる狼に銃口を向けたのだった。
しかし──そんな彼等の前に立ちはだかるは、際立った大きさでその凶暴な口から牙を剥き出す
白銀の、狼。