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銀狼
第11章 儚き運命
「我等からすれば、その愚かさにさして違いは見当たらぬ…。──在るとすれば、肌の色か」
「…っ…なんだと…!? 」
「……フっ」
毛色で分けられる、支配する者とされるモノ。
──つくづく私には理解できぬ。
「…貴様らは理解しがたい低俗な生き物だった」
銀狼は目を伏せた。
人間への蔑み( サゲスミ )を込めて、そして…
「自然の摂理に逆らわずにはいられない…神をも欺く愚行の数々」
「……っ」
「──…しかし負けたのは私だ」
…哀切を漂わせて、瞼を下ろす。
何故だ、我が天よ
何故、貴方は我等を見棄てられた
「──…!? 」
「……全ては天の御言葉のままに」
──此れは貴方が望まれたこと
であるならばこの私が…
それに逆らうなどできるものか