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銀狼
第11章 儚き運命
不意に、首に巻きつく指の力が弱まり
彼女は横に突き飛ばされる
そして──
突き飛ばされたセレナが草むらに倒れ込んだのとほぼ同時
彼女の耳にパァンという
一発の乾いた銃声が届いた
其の一発を皮切りに
立て続けに、さらに、数発
半身を起こしたセレナが振り返って見たものは
よろけながら尚も毅然とした彼の立ち姿──
身体に銃弾を受ける度にあがる血飛沫
彼女が庇うように彼に駆け寄りその身体に抱きつくと、聖地に響く銃声も止んだ
ローは抱きつく彼女の体重を支える事ができずに、そのまま背後にゆっくりと倒れた
倒れた彼を見て
とどめを刺そうと走り出した兵士達──
アルフォード侯が彼等を制した
もう……終わっている
侯爵はそう言って、銃を下ろすように命じた