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銀狼
第11章 儚き運命
「──…ッ」
薄く開いたまま
止まってしまった彼の瞳を…
見つめるセレナの目が堪えきれずに崩れた。
とめどなく湧き出る涙を流し続け、震える肩で動かぬ彼を抱き締める。
・・・ポタッ
セレナの涙がローの目に落ち
彼の目尻には一筋の線ができる。
それはまるで──
彼も一緒に泣いているかのように見えた──。
「…っ…、ロー…」
いくら呼び掛けても
返事がある筈もない。
それでも
「──…っ…愛してる」
あなたに伝えなければ
「愛してる…!! 」
まだ熱の残るその唇に
そっと自分のものを重ねた。