この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
銀狼
第3章 銀狼
──其処は確かにラインハルトの森ではなかった。
「ここは──…」
周囲を取り囲む絶壁。──円形の空間。
覆う木々の無いその空間では、遥か上空まで視界が突き抜け
夜空に浮かぶ見事な月が地を照らす。
ザザー……
流れる水音の正体は、絶壁の頂上から溢れている大量の水が滝となって落ちる音。
滝壺から広がる豊かな水は小さな湖を作りだし
白い波頭は風で穏やかに撫でられ、ゆらゆらと月の影を映している──。
「……!? 」
中央にそびえ立つ、祭壇──?
セレナが見たのは、明らかに人工的な巨大な建造物だった。